あの人のアドバイスはいらない!受け入れられない心理を考察する

先日、久々に10年来の友人と飲んだときに大きな気づきがあった。

それは【求めていないアドバイスほどいらないものはない】ということだ。

私たちはついつい新しく知った情報や自分が良いと思っている価値観や考えを他の人に教えたり、アドバイスしたくなることが多々ある。しかし残念ながら、それは相手の為になっていないことがほとんどである。

ということで今回は「アドバイスをすること、受けることとはどういうことか」について考察していく。

人は本来、アドバイスが嫌いで受け入れられない生き物である

先日一緒に飲んだ彼はWebプログラマーの世界で独立起業している人だが、立ち位置は10年前とほとんど変わっていない。むしろ、仕事の依頼数は年々減り時間を持て余しているようだ。

10年前に彼と出会った頃は、私は会社員で先に脱サラしていた彼に対して公私ともに学ぶことが多かった。

あれから10年経った今、私も彼と同じように独立起業し、今は彼の収入を上回っている。特にビジネスの世界では、自分より収入が低い人から学べることはないと言われている。(あくまでビジネスだけの話)

久々に彼と一緒に飲んだあの日、稼ぐ為には情報を活かすのが大事だという話題になった。そんな話の中、彼は被せるように私にこんなアドバイスをしてきた。

ビジネスは情報をどれだけ多く知っているかが大事。ニュースは毎日くまなくチェックしたほうがいいよ』と。正直、私は全くそうは思っていなかったが、それを態度にあらわさず軽く受け流した。

私がニュースやテレビを一切見ないのは、ネガティブな情報が圧倒的に多いからだ。なぜなら視聴者は、メディアに幸せ一杯の情報など求めていない。

不幸な出来事のほうに興味をひかれるのは、ファミレスに行って主婦たちの芸能人をネタにした井戸端会議に聞き耳を立てればすぐに分かる。私たちは本能として、他人より優れたいという感情を持っているからそれ自体にどうこう言うつもりはない。

しかし、これらのネガティブな情報を毎日の習慣のように浴びることは、潜在意識にとって良いはずがない。だから、私は自分を守る為にこれらの情報を意図的に遮断している。

だから、求めてもいないこんなアドバイスをされた時『正直この人は面倒くさいな』と思った。だが、私は自分にとって不要なアドバイスをされてもそれを言った人に対して肯定も否定もしない。

なぜなら、例え相手の否定をし自分の考えを被せ論破できたとしても何も生まれないという経験をしてきたからだ。アドバイスに反論することで、相手の自尊心を傷つけ、お互いが嫌な気持ちになるということは目に見えている。

お互いが不快になれば、何の為にその時間を作ったのか分からなくなる。だから、私は求めてもいないのに勝手にアドバイスをしてくる人とは極力関わらないようにしている。

ちなみにアドバイスを受け流すことは可能だが、毎回言われるたび、肯定も否定もしない立場を取るのは非常にエネルギーがいるし疲れる。自分の使える時間やエネルギーは有限だ。だからこそ、誰と付き合うかがとても重要だ。

上から目線でアドバイスをする男性心理は自己承認欲求からくる

私は先述の彼がブログを書いていることを知り、アドレスを教えてもらい読んでみることにした。

彼のブログには記事毎に読者がコメントできる欄が分かりやすく記載されていた。その中でも、気になる書き込みが私の目に留まった。

鬱病で悩んでいるという読者が、その症状について詳細に書いていた。そこには1日の生活習慣や、処方されている薬などについても細かく記載があった。

そんな書き込みをしていた読者に彼はこのようなコメントで返していた。『大変お辛い状況のようですね。うつ病の治療薬は依存性が高まるので使用量は減らしましょうと。

これを見たとき私は背筋が凍る思いでゾッとした。もし、この書き込みをした人が薬の使用量を減らした場合に精神状態がより不安定になる可能性も否定できない、と思ったからだ。

今回のように相手の生死にも関わるかもしれないアドバイスを、医者でもない素人が行うことは場合によっては罪にも問われかねないと思うのだ。

人生は自己責任という前提で考えれば、そのアドバイスを受け入れるかどうかはその人自身の問題になる。しかしアドバイスする側にも、相手の人生に与える影響を考える必要があるのではないだろうか。

人はアドバイスをされることよりも、アドバイスをすることを圧倒的に好む生き物だ。自分が相手にアドバイスできる、ということは相手よりも優位な立場にいることの証明になるからだ。これは元々、自分は他人よりも優れていたいという自己承認欲求からきている。

この人間心理が分かっていれば、一方的にアドバイスをしてくる人がいたら「この人は私の為ではなく、自己承認欲求を満たしたいから自分にアドバイスをしてるんだと受け流すことができる。

基本、こちらが頼んでもいないのに、助言やアドバイスしてくる人はその人自身の為に言っていると考えて間違いない。

私の経験上、本物の指導者やリーダーと呼ばれる人ほど、教えるということに対しては待ちの姿勢でいることが多い。それらの人たちは自発的に学ぶ姿勢こそが、最も吸収できることを自身の体験から理解しているからだ。

ビジネスで結果を出したければ、アドバイスを受けられるプロを決める

誰からも学ぼうとする姿勢は素晴らしいことだが、時にそれが自分の成長を邪魔することがある。

私自身、社会人になりたての新卒の頃、成長意欲だけは人一倍強かった。ゆえに、自分への指摘は全て改善ポイントにしようと意気込んでいた時期がある。

誰かに会ったり、仕事をする中で「君はこういう悪いところがあるからこういう風に直したほうがいい」と言われるたびにそれを直そうと躍起になっていた。

プライベートでも「あなたはこういうふうに見えるとネガティブ気味に言われれば、次からは言われないようにしようと意識していた。

そして、こんな日々を繰り返す中でやがて気がつくことになる。「毎回同じ内容の話をしているはずなのに、ある人からはコミュ力が高いと言われたり、ある人からはなんか営業されてるみたいと言われる」。それに近い現象ばかり起こっていると。

全ての人のアドバイスを受け入れて改善しようとした私は、最終的にはどうしたら良いかわからなくなってしまったのだ。

私はその後、人生でどん底と呼べる時期に「自分が学ぶのはこの人だけ」といえる人に出会うことができた。学ぶ対象を1人に設定したことで、無駄なことで悩むこともなくなり当時抱えていた自己破産寸前のお金の問題は解決することができた。

誰のアドバイスを受け入れるかは、自分の人生にとって非常に重要だ。

まとめ

今回のポイントは、自分の人生にとって効果的なアドバイスとは何なのか見極めることにつきるように思う。

また、アドバイスに絶対は無い。国や時代、学ぶ環境が違えば、あるときは正解、あるときは不正解になり得る。

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今の時代に合った最善の選択をしていきたいものである。

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