漫画家・井上雄彦のインタビューから学べること【人生をかける仕事】

あの不朽の名作「スラムダンク」の作者・井上雄彦に迫ったドキュメンタリーを観た。

タイトルは「プロフェッショナル 仕事の流儀 第VI期 漫画家 井上雄彦の仕事 闘いの螺旋(らせん)、いまだ終わらず

今回は「漫画家・井上雄彦のインタビューから学べる人生をかける仕事」というテーマについて書いていこうと思う。


超1流の漫画家井上雄彦は仕事に自分の人生をかけている

漫画家という仕事は実態を知れば知るほど、この世の中でも最もプレッシャーと戦う仕事の1つではないかと思えてくる。

【プレッシャーの要素】
⚫1週間単位での原稿の締め切り
⚫ファンへの期待に応える為に作り込むストーリー
⚫物語が結末へと迎う構想を練ることetc,,,

やっと原稿を書き上げ、提出したのもほんのつかの間。翌週の締め切りに向けてまた新たな戦いが待っている。
そんな緊迫感が終始伝わってきた。

井上は漫画の世界のキャラクターたちに自分の人生や苦悩を重ね合わせていた。

映像のほとんどは、バガボンドの制作過程を追う内容だったが、この作品には作者の心の在り方や状態が作品に投影されていることがよくわかった。

そして、インタビューの中で『漫画のストーリーはどうでもいい、キャラクターたちが物語の中で躍動していけるかが大事』というニュアンスのメッセージは衝撃的だった。

消費者目線と仕掛ける側の視点の違いをありありと感じた。
消費者は作品のストーリーをなぞることがほとんどだが、井上はキャラクターの生き方をなぞっていたのだ。

そこに映し出されていたのは、もはや描いた漫画が売れる売れないの次元ではなく、自分の人生をかけて仕事を貫き通す1人の熱き男の姿だった。

孤高のアーティストにしか描けない世界だからこそ価値がある

漫画の世界では、売れたあとの人は2パターンに分かれていくように思う。

なおも描き続ける人かそこでやめる人かだ。
もちろん、井上は前者のほうだ。

スラムダンクの華々しい成功によって、一生食べていけるだけのお金は手に入れたはず。
ゆえに食べていく為に漫画を描いていることはないと考えられる。

考えてみればオリジナリティーを追求する世界の仕事には、自分の代わりはいない。
だからこそ唯一無二の価値を提供することと引き換えに莫大な報酬を手にすることができる。

そういった孤高のアーティストからは、まさに生きざまをそのまま仕事にぶつけられているかのような熱い情熱を感じてしまうのだ。

彼の世界は彼にしか見えず、彼にしか描くことができない。
バガボンドの主人公宮本武蔵を自分に重ね合わせ苦悩しながら執筆する姿は生きざまそのものだ。


自分が最大限能力を発揮できる場所で戦うことが大切

井上は仕事前の段階で自分なりの勝ちパターンを模索しているように見えた。

普段、喫茶店を何軒もはしごしながら、作画しているという。
本来であれば、自宅のほうがリラックスもできるし、利便性も高いはず。なぜ、そうするのか?

「自分を追い込み仕事に向かわせる為」というようなことを言っていた。

環境設定はやはり大事だ。
人間はほうっておくと、楽したい、サボりたい、という感情にいきつく。それは本能であり誰もが避けることはできない。

超一流の漫画家でさえ、自分を追い込み作品に向き合っているという現実。
かのイチローも現役時代は、勝ちパターンを作っていたことを思い出した。
誰もが知る、あのバッターボックスに入るまでの一連の動作だ。

又、たぐいまれな表現力みなぎる漫画のタッチから、この人は超一級の才能とセンスで勝負するタイプの人だと思った。
そして、漫画などの創作芸術とはそういう人たちが居場所を見つけられる世界なのかもしれない。

私もかつて、音楽の世界で食べていくことを志した人間の1人だが早々に挫折してしまった。
人間、一定のところまでいくとその分野において自分の才能が生かせるのかどうか分かるものだ。

私がソングライターいう道を志し、行き着いた先は自分には思い描いているようなメロディラインを書ける資質がないという現実だった。
特にアーティストの世界は才能の比重が大きい。

例えば、ビートルズのようなメロディを生み出してくれ、と依頼されても一般人には無理なように。
そこにある才能というギャップは努力だけでは埋められない。

ちなみに、今これを書いている間に流れている音楽はとなりのトトロなのだが。
ただただメロディラインの素晴らしさに感動するとともに、こんなメロディは自分には作れないという無念さにも駆られるのである。

対して、ビジネスは才能ではなく努力で勝てる世界だ。
自分の資質に合った土俵で戦い、レーザービームのように一点集中すれば必ず結果は出せる

まとめ

物を作る人というのは孤独と戦っている人だともいえる。
なぜなら、会社員のように仕事を手伝おうと思っても踏み込める領域がないからだ。

オリジナルを生み出す仕事には、その人の人生観が強く反映される。
改めて、自分に問いかけてみる。

『今、この瞬間死んでもいいというような全力さで生きているだろうか?』

井之雄彦は映像の最後でこんなメッセージを残してくれた。
プロフェッショナルとは向上し続けること。』と。

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